今年は公私とも海外へ行く機会(略)、確か前回も同じ事を書いた様な記憶があります。今回はたまたま航空券が安く(往復1万円)取れたので行ってきました。マレーシア24h軽耐久のお誘いもあって苦しい決断でした。

最初に結論を申し上げると、「これも一見の価値あり!!!」でした。

今回は羽田からHKExpress便で香港入りです。そこからは空港内でフェリーに乗り換えてマカオへと入りました。マカオはマカオ半島とコタイ島と2つからなっていて、マカオレースはマカオ半島側で行うので混み合うと思い、コタイから入る事にしました。COTAI WATER JETです。ちなみにフェリーは現地でもチケットを買う事ができますが、混み合っている事も多く待たさせれる事があります。ネットで予約していくと簡単なのでオススメです。

マカオはカジノの街、という訳で至る場所にシャトルバスが走っています。これに乗っていけば大概の有名な場所に到達できます。他にも市内バスが縦横無尽に走っているので、これを使わない手はありません。バス料金は市内どこまででも3.2MOP(約15円)で乗れますが、マカオパスという日本でいうsuicaもあります。これは市内のセブンイレブンで買え、130MOP(保証金30MOP、実チャージ100MOP)払うとゲットできます。このカードはセブンイレブンの支払いにも使えるので持っていても損はありません。

ちなみにGoogle Mapの交通案内を信用すると、悲惨な目に合う事もあるのでご注意を。結構情報がズレていたり違っています。

金曜日入りしたので、今日は練習走行がメインとなります。着いた時はWTCCが練習走行をしていました。今日はリスボアコーナーと呼ばれる、一番の見どころ(ブレーキングポイント)で見ます。ここはストレートが長く続いた最初のブレーキングポイントなので、決勝ではこのブレーキング勝負が見どころのひとつ。今日は練習なのでそういう事はまずありませんが、それでも車の挙動を見る事ができます。

WTCC車両をよく見ると、結構ロールしているように見えました。それからラリーカー並…とは言いませんが、とてもよく動く脚です。写真で見るとホイールアーチが大きく、タイヤとの間にかなりの隙間が見受けられました。ストリートサーキットを考慮したのか、それともいつもこんなに開いているのかは判りませんが、ホイールアーチに被るようなレース車両を見慣れているだけに新鮮でした。

同日に沢山の車両を見る事ができるのが、マカオGPの良い所です。次はF3の走行が始まりました。F3もメーカーによって色々と作りが異なり面白いです。写真では判りにくいですが、ウイングのセッティングも多種多様でした。現地のピットに知人がいたので、後程色々と為になる話を聞きましたがさすがにオフレコと言われています(笑)

写真を撮っていて思ったのが、日本勢の不振でした。チームの中でも色々あった(オフレコ部分)ようですが、何より見える所で言うとタイヤの接地面がトップクラスと全然違う様に見えました。

1位から6位くらいまでの車両のタイヤは、リスボアコーナー中、荷重が抜ける右側の前後タイヤの2/3くらいに跡が残っていました。対して日本勢は半分程度しかタイヤに跡がついていませんでした。特に継続ラップしている時は如実にタイヤ面に差がありました。走り方やセッティング、他様々な要因が絡むので何とも言い難いのですが、この時ですら日本勢はちょっと厳しいかな…と思ってみていました。腕どうこう以前の話です。技術的にはトップとそれ程には差があるとは思えませんし(主観ですが)。

そしてクラッシュ。ギア・サーキットの華?とも言えるクラッシュです。道幅は一番狭い所で7m程。こんな所を200km/hオーバーで駆け抜ける訳です。尋常じゃありませんね。大きな事故が起こっても大概は大丈夫です。ただ今年に限って言えば、二輪ライダーが一人亡くなられてしまいました。とても残念です。その位、危険と隣合わせのサーキットだという事をまざまざと見せつけられました。

最後はGTクラス。さすがに派手ですね。今回はアジア地区で初お披露目のNSX-GT3も快調に飛ばしていました。

今回泊まったホテルはこちら、Hotel Royal Macau (皇都酒店) です。ギア・サーキットまで徒歩圏内、周囲にはコンビニ・カジノ、更にはセナド広場までも徒歩圏内。ただこのホテル、中国・韓国人がやたらに多くて辟易しました。ロビーで騒ぐ、廊下で騒ぐとやりたい放題。なので静かに過ごしたい人には向かないかも知れません。部屋はとても快適でした。

夜のマカオを歩くと、やはりこの派手さが目につきます。今や香港でもだいぶ見かけなくなったネオンのせり出し看板が沢山あります。異国情緒とはまた一味違った趣です。ちょっと裏通りに入ると昔ながらの店構えがある反面、海沿いに行けば贅の限りを尽くしたカジノとホテル。どちらもひとつの国なんですね。これがマカオの魅力のひとつかも知れません。

土曜はスキップして、周囲から色々と見て回ったり関係者とお話をして一日が過ぎました。レースの最中はモニタを見ていましたが、あの有名なGT3とWTCCのクラッシュの時、周囲からは物凄い歓声があがっていました。例年の事なので見慣れた風景のはずなのに、地元の方すら大歓声あげたという事は、本当に大きな事故だったと思います。特にGT3はあのNSX-GT3も巻き込まれ、R8 GT3は持ち上がっていました。ちなみにこの後、車両は回収されてピット横に置いてありました。関係者らしき人達が熱心に写真を撮っていました。

そして日曜日、決勝。決勝はグランドスタンドからの観戦にしました。GT3クラスを見た後は、山側へ行きF3の挙動やら速度を見ていました。GT3は昨日のクラッシュのせいでだいぶ車両が減っていました。例のNSX-GT3は0時頃にボンネットがついたと聞いています。徹夜で修復されたチームもあるでしょう。いつもながらメカニックさん達には頭があがりません。

GT3車両ですが、リア・ウイングのステーが結構違っていてビックリしました。昔ながらの棒みたいなやつ、それにカバーをつけたようなもの、カーボンか何かで支柱が作ってあるもの、そして流行りのスワンネックもの。ただ、昔ながらの棒みたいなやつでも鬼の様に速いドライバーもいたので、ここではあんまり関係が無いのかも知れません(笑)

途中でリタイアしていくドライバーが降りてくる様子も撮ってみました。あれ、本当に悔しいんですよね。。

最後、F3決勝。前日に関係者からお話を聞いていたので、大凡結果は読めていたのですが、まさか最終ラップ最終コーナーでクラッシュして優勝を逃すというのも凄い劇的でした。レースはチェッカーを受けるまでは判らない、まさにそんな言葉が浮かびました。ちなみにクラッシュしたドライバーは、かのハプスブルク家の方だとか。ヨーロッパ圏の方の名前はかっこよくて好きです。

写真の中に1枚テール・トゥー・ノーズの写真があるんですが、これ普通にレースシーンです。Maternity Bend の付近なのですが、F3だとこの辺りで170km/hは超えるんです。道幅も10m程度しかないのに、このテール・トゥー・ノーズ。事故するんじゃないかなぁと思っていたら案の定でした。後ろが3号車、Ferdinand Habsburg です。

写真を撮っていると判るんですが、トップ6まではピントを合わせて連写しても撮れないレベルに速いんです。ところがそれ以降、特に日本勢に至っては見てから撮れる位だったので、車両的にかなり遅かったのでは無いかと思います。実力差とは思えないので、相当苦しい戦いを強いられたのでは無いかな?と思いました。

しかし、それにしてもこの路面をあの車両を使って200km/hオーバーで駆け抜ける…信じられないですね。ほんの少しのミスも許されない状況で、戦いを繰り広げる。Macau F3勝者はF1でも戦えるという意味を肌で感じました。

全てのレースが終わって、夜。ひとりでギア・サーキットを少し歩いてみました。路面は荒れて継ぎ接ぎだらけ。縁石も少し乗ったら吹っ飛びそうな位に高く、逃げ場の無いガードレールの囲い。既に一部のガードレールは外されていました。

昼間はここを数十台が駆け抜けて行ったんだなと感慨深く思う一方で、自分もここで走ってみたいな、と思っていました。出来たら5時間耐久とかしてみたいです。どれだけ心が試されるか、想像するだに恐ろしく挑戦しがいがあります。ここで5時間戦えたら何か見えるかもしれない…と思いました。

そんなこんなで夜も更け、翌日またフェリーで帰路へと着きました。やはりレースは見るものではなくやるものだなぁ…と思います。いつかは海外で走りたいと思い続けていますが、現地に来るとその気持ちも高まりますね。

ちなみに写真の一枚は、哪吒古廟。観光客もまず来ないと言われる場所にあります。哪吒といえば子供の神様。日本だと封神演義で有名ですね。古廟の方は世界遺産ではありませんが、とても趣があって好きです。こういう地元に根付いた信仰に触れると、ワクワクしますね。