スーパー耐久シリーズ2021 Powered by Hankook 開幕戦もてぎ 9位完走

スーパー耐久シリーズ2021 Powered by Hankook 開幕戦が始まりました。
まず結果から言ってしまうと、ツインリンクもてぎ戦は不本意の9位完走となりました。

今年から2020年のスーパー耐久シリーズチャンピオンでありGT300でも活躍したショウン・トン選手の加入により、とても強固になりました。同時に昨年悩まされたBoPもチーム関係者の努力により、漸く解消されつつありました。その徴候は練習走行の時点ではっきり確認できました。昨年は、ただ真っ直ぐハンドルを持ってアクセルを踏んでいるのにも関わらず、クラス違いの加速で負けていたのです。

昨年の周囲のチームの加速感は見る影も無く、こちらはジリジリと離れていくけれどもコーナリングやブレーキで十分詰められる程度の差にまで落ち着いていました。スープラGT4が多数台参戦したり、ジネッタGT4が復活したりと今季のGT4はとても華やかです。他チームのドライバーも「ここはGT500ですか?GT300ですか?」というようなツワモノばかりです。本当の意味で実力が試されるようになったと思います。

自分はコロナウイルスの影響もあり、先日富士で行われた練習走行にも参加していませんでした。今年仕様の車に乗るのは初めてです。S耐仕様のハンコックタイヤも勿論初めてなので、いつものように少しずつ車を理解していく事から始めました。

ショウン・トン選手の車載やロガーを比較したり、オンボード映像の解析から自身の下手な部分を修正していく作業はとても楽しく、やりがいのある挑戦でした。このプロフィールにも書いてありますが、私は決して特別な存在でも無ければ稀有なトライバーでもありません。皆さんと同じ様に足掻きながら、葛藤しながら上達していければ良いと思っています。2015年の心筋梗塞で、一度は黄泉の国を覗いたんですから今はもうロスタイムと割り切って楽しむ事にしています。

予選は、久しぶりにアタックを許されました。基本的にCドラ・Dドラは基準タイムを超えれば良いので、車の消耗を抑える為にもアタックはしません。ただ、今回は決勝が確実に雨であるという理由でタイヤを温存する必要もありませんでした。雨は雨専用のタイヤがあるのです。

今回はまだ生きている中古タイヤをつけてアタックしました。当日は比較的涼しかったので、2周じっくりと走ってタイヤを温めてから満を持してアタック。まず4秒台に1回入れ、次の周は最終コーナーから1コーナー・2コーナーと最速で来たのですが…

3,4コーナーでST-5クラスの車両と重なってしまい、上のようなグラフ(矢印は車速のグラフ)となりました…。混走の難しい所ですね。見事にその罠にハマってしまいました。結局コレがベストラップとなり4秒を切れず仕舞いです。タイヤのタレも感じたので、そこからは頭を切り替えて、決勝を見据えたラップを刻むテストをしてみました。

GPSロガーだとこんなラップです。
計測位置がズレているので3秒台が出ていますが、実際は4秒1です。レースにたられば、は無いので引っかからなかったら…というヤボな事はいいっこなしです。

で、肝心の安定ラップですが、4.956、3.893、4.492、4.495 とかなり安定して走れているようでした。自分の武器はこの”安定感”だと思っています。一発も速くない、周回ラップも目を見張る程じゃない、でも確実に車を疲弊させずに次のドライバーへバトンタッチできる程度の能力です。このまま4秒台の周回は余裕だったので、決勝となればタイヤの差(とウエット・ドライ)はあれど、何とかなるんじゃないかな?という希望でいました。

決勝は当然、雨です。

経験のあるショウン・トン選手がスタートドライバーを務めてくれました。予選11位からのスタートで順調に周回し、一時は6位までジャンプアップ。更に上位を望める所まで来ていました。3位以下は同一周回だったので、表彰台も狙える位置です。

そんな中、雨脚が強まったのでセーフティカーが入りました。チームはピット消化義務(必ず3回はドライバーチェンジをする事)を果たす為、ピットインします。そこで6位から9位へとダウンしました。そのまま赤旗中断となり、レースが規定時間を超えた所で終了となりました。自分は決勝をステアリングに触る事無く、レースは終わってしまいました。結果も当然満足できるものではありません。何せ、規定をクリアしていない車が上にゾロゾロと居て、それが何のペナルティも無くそのままの順位となってしまったのですから。


でも、これが結果です。

いくら頑張ったり努力をしても、結果は出ません。
正直、結果が出ない事の方が圧倒的に多いです。

それでも、続けていかない限り、スタート地点にすら立てないのです。
今の世の中、要領よく生きていた方が楽ですし、もしかしたらその方が何か別のいい事があるかも知れません。
でもそれだと、“足掻き続けた先に何があるのか”を知る事は一生無いですし、“足掻いた先で掴んだ結果の喜び”も知る事は無いと思います。

どちらが良いかは、私には判りません。
自分は不器用なので、このまま進んでみたいと思います。
次戦では結果が出る事を祈りつつ…